ひな人形
五人飾り
男雛・女雛と三人官女の五人で構成される雛人形です。嫁入り道具の、重箱、牛車、お籠とあわせて飾るため、飾り台が三段になっており、三段飾りとも呼ばれます。一番上に男雛・女雛が配置され、その下の段に官女、一番下の段には嫁入り道具を飾ります。
五人飾りは、親王飾りと七段飾りの中間に位置し、ふたりだけの親王飾りよりも豪華で飾りがいがあり、十五人揃った七段飾りよりも飾りスペースも収納スペースもコンパクトで、飾る手間がかからないため人気があります。飾り台が三段となっているため、奥行き、間口がほぼ同じくらいの大きさで、フローリングや畳の上に飾るように作られていますが、小さいタイプでは大きめの机の上に飾ることもできます。フローリングや畳の上に置いた場合、小さいお子様にも、男雛・女雛が飾れる高さに作られており、飾って楽しむには最適です。
お人形名称・紹介 | ||
---|---|---|
あ |
親王(しんのう)一番上は内裏雛・親王雛と呼ばれ、男雛・女雛の一対のお人形。 |
|
い |
官女(かんじょ)天皇皇后である男雛・女雛の身の回りのお世話をする宮仕えの女性たち。 |
お道具名称・紹介 | ||
---|---|---|
1 |
飾り台(かざりだい)お人形やお道具を飾り付ける台です。 |
|
2 |
屏風(びょうぶ)親王の後ろに飾り付けます。金屏風や木製屏風等様々な種類があります。日本ならではの風景や柄等が描かれた物も多く、雛(ひな)人形の美しさをより際立たせます。 |
|
3 |
雪洞(ぼんぼり)親王の両脇に飾られる雪洞(ぼんぼり)は江戸時代に、「ぼやけていてはっきりしないさま」などの意味でつかわれた「ぼんぼり」 が名前の由来とされています。 |
|
4 |
纓(えい)冠の後ろに挿す付属品です。 |
|
5 |
冠(かんむり)束帯を着用する際に着用します。 |
|
6 |
笏(しゃく)束帯を着用する際に手に持つ長細い板です。 |
|
7 |
太刀(たち)束帯を着用する際に腰に差す刀です。 |
|
8 |
檜扇(ひおうぎ)束帯を着用する際に手に持ちます。 |
|
9 |
菱台(ひしだい)菱餅を飾り付ける為の台です。 菱餅の緑は草萌える大地。白は雪の純白。ピンクは桃の花を表しており、三月の早春の景色を象徴しています。菱餅のヨモギは、古来より厄を払う薬草で造血作用があり、桃は古代中国では魔除けの力があるとされ、皮膚病の薬としても珍重されていました。また菱餅の赤は、くちなしで染められていて解毒作用があったそうです。いずれも汚れを払う薬草ですから、縁起がよく生命力があり、女の子の健やかな成長を願うひな祭りにふさわしいものです。 |
|
10 |
三方(さんぽう)三方向に穴があいている台で、おもてなしに使用するものです。 |
|
11 |
加えの銚子(くわえのちょうし)鍋に似た形の金属製の器。銚子の一種でかつては宴席で酒を注ぎ勧めるのに使用されていたものですが、室町時代以降は銚子が晴れの席に用いられるようになりました。 |
|
12 |
三方(さんぽう)・嶋台(しまだい)祝儀の飾りの置物。 |
|
13 |
長柄銚子(ながえのちょうし)長い柄のある酒器で「銚子」とも言います。盃に酒を注ぐもので長い部分を長柄(ながえ)と呼んでいます。 |
|
14 |
高杯(たかつき)食べ物等を身分の高い人に献上する為に使う足つきの台です。 |
|
15 |
橘(たちばな)内裏の紫宸殿前に植えられた橘の木のことです。天皇側近の武官として重要な存在であった左右近衛府(このえふ)がこの橘から南を陣としたところから名づけられれました。橘は実より花や常緑の葉が注目され松などと同様、常緑が「永遠」を喩えるということで喜ばれました。 |
|
16 |
御駕籠(おかご)人が乗り込む籠の部分を一本の棒に吊し、複数人で棒を前後から担いで運ぶ乗り物。同様に人力で人を運ぶ輿(こし)は、2本以上の棒の上に人が乗る台を載せたものです。 |
|
17 |
重箱(じゅうばこ)室町時代の文献に「重箱」の記述があり、名前の由来は箱を何段にも重ねた事からだそうです。 その歴史はかなり古く一般庶民に普及したのは江戸時代でした。狩りやお花見なに出かけるときにも重宝されたようです。現代ではお正月のおせちを入れるものという感覚のようです。 |
|
18 |
御所車(ごしょぐるま)交通手段のひとつとして平安時代では貴族の一般的な乗り物でしたが、後には移動のための機能性よりも、使用者の権威を示す傾向がありました。基本的に男女の区別がない一方、昇降には細かい作法があり女性が乗る場合には「出衣(いだしぎぬ)」といって簾(すだれ)の下から衣や下簾(したすだれ)を出すことで「女車」と分かり、その趣向・風情で身分・家柄もある程度表したそうです。 |
|
19 |
桜(さくら)右近の橘と同様に、左近の桜とは紫宸殿(ししんでん)南階段下の東方に植えられた桜。朝儀の際、左近衛府の武官がこの南側に詰めたことから名づけられました。現在も京都御所内の紫宸殿に植えられています。 |