羽子板
破魔弓
羽子板飾りとは
羽根突きに使う羽根の形が害虫を食べるトンボに似ているところから、様々な邪気をはね(羽根)のけて、健やかに育つようにとの願いが込められた、女の子のお守りとして親しまれるようになりました。 羽子板の追羽根に使われている黒い実は、無患子という高さ15m程に成長する落葉樹の種です。無患子は「子が患うことが無い」と書き、つまり羽子板は、赤ちゃんの無病息災の意味なのです。 また、羽子板の羽根がトンボに似ていることから、蚊を食べるトンボ、つまり蚊は羽根を恐れるため、ひいては子が蚊に刺されないようにという、意味ももっています。
<店内展示期間>10月上旬~1月中旬
破魔弓飾り
読んで字の如し、ずばり魔除け、つまり厄払いのお守りです。弓で射る的のことを昔はハマと言っていました。そのハマに破魔の字を当てたことが、この飾りの由来です。 平安時代頃より宮中では、弓矢の威力を信じて、妖魔を退ける儀式として、昔から行われているものに「鳴弦の儀」があります。矢を使わず、弦を引いて弦打つの音を四方へ向け発します。 宮中では出産の際、産湯をつかうとき鳴弦の儀を行っていたようです。
○矢の意味(4 本矢)
四神をそれぞれの方角を守護すると言われています。
東(青龍) 家庭隆盛
西(白虎) 夫婦円満
南(朱雀) 繁栄長寿
北(玄武) 平安招福
<店内展示期間>10月上旬~1月中旬
破魔弓 源氏
正月と羽子板・破魔弓について
よくあるご質問(Q&A)
- なぜ初正月に羽子板や破魔弓を贈るの?
- 旧暦の十二月から一月の間は、十二支による暦の上で「丑・寅」にあたり、いわゆる「鬼門(よくない結果が起こりやすい時)」の時期なのです。
つまり羽子板や破魔弓には、その時期を生命力の弱い赤ちゃんが無事に通過できるようにという願いが込められているのです。
なお、新暦の現代では、十二月中旬から一月十五日位まで飾るのが、一般的なようです。 - 羽子板は、なぜ女の子のお守りなの?
- お正月の羽根突きは、江戸の昔から女の子の遊びです。そして羽子板は、女の赤ちゃんの無病息災のお守りの意味を持っているのです。
羽子板で突く羽の玉(堅くて黒い玉)を〝むくろじ″という木の種ですが、漢字で「無患子」と書きます。「子供が患わない」という意味が込められており、その羽の玉を突きながらその年の健康を願ったそうです。 - 破魔弓は、なぜ男の子のお守りなの?
- 呼んで字のごとく、破魔弓は魔除け、厄払いのお守りです。男の子の元気な成長を願いお正月の縁起の祝い物となっています。
また神社の破魔弓や、棟上の際に屋根に立てる破魔弓も弓矢の持つ魔除けの力を信じることから生まれた習慣です。 - なぜお正月に関係があるの?
- 羽子板も破魔弓も共に古来からの行事であった新春の年占いや厄払いがその始まりです。
男の子が弓矢で的を射って年占いをしたのが、後に破魔弓になり、女の子がお正月に羽を突いて、その年の厄払いをしたのが、後に美しい羽子板を生み出したのです。 - 羽子板や破魔弓は、いつからいつまで飾るの
- 十二月中旬以降に飾るのが良いでしょう。お正月には贈って頂いた方々を招いてご家族でおもてなしするのも良いでしょう。
片付けは、一月中旬頃が良いでしょう。ちょうどその頃にはお正月飾りを焼く左義長(さぎちょう・とんど焼のこと)の行事が行われたからです。
江戸時代には、中宮の左義長風景を描いた極彩色の左義長羽子板というものがありました。これは、このお正月行事と羽子板との密接な関係を物語っているものと言えるでしょう。