五月人形

鎧飾り

悪災から全身を守るとされる鎧は、お子様の健やかな成長を見守る勇壮で豪華な飾りです。
重厚感のある着用鎧飾りから、コンパクトながらも細部まで作りこまれた豪勢な鎧飾りまでございます。

写真:鎧飾り

鎧名称・紹介
兜

兜(かぶと)

兜(かぶと)の詳細はこちらからご確認下さい。

面頬

面頬(めんぽう)

頬・顎など顔を守る防具です。敵を威圧する意味もありました。
鉄砲が出現した戦国時代ごろから流行し非常によく使用されました。鎧飾りでは喉を防護する「垂れ」がついているものがほとんどです。

忍緒(しのびお)

忍緒(しのびお)

鉢に取り付け頭部を固定するために顎で結ぶための緒です。
結び方の多くは「総角結び」で結ばれており、その結び目は「人」という字になっています。
忍緒の結び方を見る

馬手(めて)の袖

馬手(めて)の袖

鎧の胴の左右に垂下し、肩から上腕部を防御する楯状の部分で、時代によって大きさが変わります。
右の袖を「馬手の袖」と呼び馬上で手綱を取る右手から由来します。

射向(いむけ)の袖

射向(いむけ)の袖

「馬手(めて)の袖」と同様に上腕部を防御する部分ですが、左の袖を「射向(いむけ)の袖」と呼び弓を射る時に敵のほうを向くため「馬手の袖」より堅牢の作ってありました。
節句飾りでは両袖とも同じ作りになっています。


栴檀(せんだん)の板・鳩尾の板(きゅうびのいた)

杏葉(ぎょうよう)

〈大鎧の場合〉

栴檀(せんだん)の板・鳩尾の板(きゅうびのいた)

■栴檀の板(せんだんのいた)
弓を射る時に開く胸部を防御するため大鎧の右胸に付けられた盾状の板です。
弓を引く際に屈伸可能なように3段からなる小札で構成されます。元来は両板とも栴檀の板と呼ばれていました。
■鳩尾の板(きゅうびのいた)
大鎧の左胸に付けられた盾状の板です。
急所に近いため1枚の鉄板で作られることが多かったようです。

〈胴丸鎧の場合〉

杏葉(ぎょうよう)

杏の形に似たことから由来する、肩上(わたがみ)に付けられた防具です。
染め革などで包み、漆を塗られた鉄板で軽く膨らみがあります。古くは袖の代わりに胴丸の方に付けていましたが、鎌倉時代に袖が付けられるようになってからは胸に付けられるようになりました。

画像準備中

弦走の絵韋(つるばしりのえがわ)

胴前面に弓の弦や腕が小札に引っかかるのを防ぐために絵革を張り平面状に仕立てられています。

籠手(こて)

籠手(こて)

腕を防御する部分です。
当初は弓を持つ左手のみに着用されていたようですが、刀等が使用されるに様になるにつれ両腕に着用するようになったようです。

忍緒(しのびお)

帯(おび)

胴前面に弓の弦や腕が小札に引っかかるのを防ぐために絵革を張り平面状に仕立てられています。

馬手の草摺(めてのくさずり)

馬手の草摺(めてのくさずり)

大鎧の右腰のものを「馬手の草摺」(めてのくさずり)と呼びます。脇楯の草摺(わいだてのくさずり)とも呼ばれます。

射向の草摺(いむけのくさずり)

射向の草摺(いむけのくさずり)

大鎧の草摺は腰に前後左右の4枚からなる平面的な形状をした部分です。
左腰のものを「射向の草摺」(いむけのくさずり)と呼び、弓を射る時に敵に向くため入念に作られました。
鎧飾りは左右同じように作られています。太刀懸の草摺(たちかけのくさずり)・弓手の草摺(ゆうでのくさずり)とも呼ばれます。

前の草摺(まえのくさずり)・引敷の草摺(ひっしきのくさずり)

草摺(くさずり)

〈大鎧の場合〉

前の草摺(まえのくさずり)・引敷の草摺(ひっしきのくさずり)

大鎧の前後の腰の部分に付けた平面状の防具です。
騎乗の際に邪魔になるので最下部は左右2つに分かれていて、動きやすく作られています。 鎧の前についたものを「前の草摺」(まえのくさずり)と呼び、後ろについたものを「引敷の草摺」(ひっしきのくさずり)と呼びます。

〈胴丸鎧の場合〉

草摺(くさずり)

草摺(くさずり)が6枚もしくは8枚にわかれ、右脇から体を入れて引合緒(ひきあわせのお)で結びつけます。

佩楯(はいたて)

佩楯(はいたて)

鎧の腰から左右の大腿部に下げ草摺の下端から膝までを防護するものです。
小札や鉄、革の小片、鎖などを綴じ付けた布地でできています。引上緒(きあげのお)と呼ばれる綰が佩楯の帯上部の中央に付いており、帯を左右から後ろに廻し前に持ってきてこの綰にくぐらせてから結びます。こうすることによって佩楯が前に下がりゆるむことを防ぎます。

臑当(すねあて)

臑当(すねあて)

鉄または革で作られた臑を守る武具です。
鎌倉時代は三辺の鉄か革を筒状にした三枚臑当てが絵巻物にみられます。南北朝時代頃には膝頭を保護する立挙(たてあげ)がつけられ、室町時代頃からは細長い鉄を鎖で繋いだ篠(しの)臑当て用いられたようです。

毛沓(けぐつ)

毛沓(けぐつ)

騎馬や狩猟時に使用する毛皮製の靴です。

お道具名称・紹介
1 飾り台(かざりだい)

飾り台(かざりだい)

鎧・兜やお道具を飾り付ける台です。

2 屏風(びょうぶ)

屏風(びょうぶ)

五月飾りの屏風には豊富な種類があります。
鎧や兜の大きさや色のバランスで組み合わせますが、上品にまとまり飽きがなく落ち着いた雰囲気を演出できる「金屏風」をお勧めします。柄入や彫金が施された屏風などありますのでお好みにコーディネートするのも楽しいでしょう。

3 弓(ゆみ)

弓(ゆみ)

魔除けの為に飾ります。 古来より日本では弓には妖魔を退ける力があるとされています。
弓の詳細説明を見る

4 太刀(たち)

太刀(たち)

魔物は光ものを嫌ことから弓同様、魔除けの為に飾ります。 普通の刀とは違い儀式用なので、柄を下に向けて飾りつけます。
太刀の詳細説明を見る

5 唐櫃(からひつ)

唐櫃(からひつ)

鎧や付属品を収容・運搬・展示するための箱です。
縦型や横型などがあり、実物の多くは縦型ですが節句飾りなどは横型です。四脚または六脚で、その脚の上部の穴に紐を通して担ぐようになっています。
表面には家紋を入れることも多く「前」と正面に書かれたものも多く存在します。この「前」の字は櫃の正面を現しているのではなく《勧進帳》にも出てくる九文字からなる真言で「臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前」の「前」です。《臨む兵、闘う者、皆 陣列べて前に在り》とは強い決意や祈念の現れであり櫃の正面に書くことで積極的に戦い、また護身の呪文であることから持ち主の武運を祈る意味も込められていると考えられます。